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Nuclear Nation
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第62回ベルリナーレ。今年は頑張って日本の福島関連のドキュメンタリ3つを見てきました。3日連続でドキュメタリて意外と疲れます。テーマがテーマなだけにかもしれませんが。

一つ目は"Nuclear Nation"。福島県双葉町のドキュメンタリ。双葉町と原発との歴史、住民の避難生活、今後の方向性を映したもの。双葉町は原発ができた最初の十何年かの補助金で公共施設を充実させるが、補助金が尽きると公共施設の維持費などにより町の財政は赤字になり、新しく原発を誘致することで国からまた補助金をもらおうとしてたらしい。エンドレス。現町長はもともと誘致賛成だったが今では考えを改めている。感情的に、悲観的になりすぎず頑張ってる姿が賢そうで好印象。国との対話では、海江田さんが会議のはじめの一言のあとすぐに公務のため退場、次に今後の方向性だかについて細野さんが説明するとまた公務のため退場、町長が挙手して質問するとそれに答えるべき前席に座っている人が誰もいないというシーンが印象的。ほんと国ってどうしようもないなと言った感じ。

双葉町は埼玉県の廃校で避難生活をしていて、舩橋淳監督は毎日現地に足を運び住民の信頼を得て撮影許可をもらったとのこと。いくつかの家族の地震から現在までの経過を追っていく。ある人は福島県内に中古の家を買うし、ある人は県外の土地に移っていく。おそらく若い世代、子供の居る世代は現実的にこの先何年だか何十年だかは双葉町に戻ろうとは思わないだろうし、時間が経てば経つほど帰る意味も薄れていくだろう。一時帰宅した家族は思い出のあるものなどを自宅から持ち出し、やりきれない感じではあるが、もう帰らなくても良いよねなんてことも。一方七夕のお願いに双葉町に帰りたいなんて子供の願い。あと年寄りも新しい土地に慣れるのがしんどいからやはり帰りたいと。当初1200人だかの住民が避難生活をしていたがドキュメンタリの終わり(秋頃?)には半分ぐらいに。こうやって双葉町って町は急激に小さくなっていく。

避難生活のストレスのかたわら自衛隊、米軍が学校を訪問しコンサートをしたり、天皇陛下が訪問するシーンも。普段天皇に対して強い思い入れもないだろう中学生までが、こうゆうときにはちゃんと敬語を使って感動を伝えているところを見ると、天皇って存在は漠然とすごいなと思う。プロレスの慰安訪問もあったけど全く盛り上がってませんでした。。。

上映終了後の監督への質疑応答では坂本龍一も参加。エンディングの曲を提供したとのこと。あと双葉町長からのビデオメッセージも。全体的に充実した145分プラスの時間を過ごせました。お薦め。
by see_more | 2012-02-27 09:46 | movie
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